収穫

人口の多い都市部や工業地帯から離れた、人もまばらな地域の清らかな環境で実ったビルベリーが収穫されます。

フィンランドの森林の95%は肥料を使っていないため、ビルベリーの中には有機認証されたものもあり、需要に合わせて提供されます。収穫量は年間熟成量の約10%。収穫シーズンはわずか2、3週間で、多くのベリーは道路から遠く離れた森の中です。機械を使わず、手持ちタイプの収穫ツールを使うので、収穫はとても大変な作業です。コケや草木など、森の下生えを傷つけることや、車両の乗り入れは禁じられています。

ベリー収穫ツール

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ビルベリーの収穫に最適な時期は、フィンランド南部が7月中旬から、北部では9月初旬まで。夜の気温が氷点下にならない限り、秋も収穫が可能です。ベリーは熟してから収穫します。収穫したベリーは、食品用の清潔なバケツや箱に入れて運びます。ベリーの取り扱いは衛生面に配慮して行います。収穫時の衛生管理は、その後の処理や製品化プロセスで求められる一連の品質管理の第一段階なのです。

ビルベリーの収穫条件は、完熟して全体が濃紺になっていること。実が青くなってから約2週間後が収穫時期です。完熟ベリーは未熟ベリーより多くのポリフェノールが含まれており、サイズもより大きく、実離れが良いので収穫しやすくなります。乾燥した日が続くとより長持ちします。暖かさと日差しはベリーのビタミン成分を低減させるので、収穫したベリーは日に当たらないようにします。

野生ビルベリーは、手持ちタイプのベリー収穫ツールを使って収穫します。収穫業者は、かがむ作業を減らして腰痛を予防するために、柄の長い、いわゆるベリー収穫熊手を使います。フィンランドの店や市場では様々なベリー収穫ツールが販売されています。収穫ツールを使うと収穫作業が速くなります。収穫する際には、収穫ツールを乱暴に扱ってベリーの木を傷つけないよう配慮が必要です。収穫したビルベリーは収穫ツールからバケツや容器に移され、販売用に運搬されます。

業界は最初の購入者からビルベリーを購入します

業界は最初の購入者から毎年4000~7000トンのビルベリーを購入します。販売用ベリーの収穫者はベリーを洗浄する必要がないため、葉が混入している場合もあります。最初の購入者の所までは収穫者が運搬します。通常、最初の購入者は未洗浄のベリーを購入します。使用するまでより良い状態に保てるからです。最初の購入者の所から業界の工場までは大型トラックで運搬し、そこで冷凍します。収穫当日に-40℃のトンネル型フリーザーで冷凍します。

収穫時期を過ぎてから冷凍されたビルベリーは産業用洗浄機で洗浄されます。かけら等は送風機で除去します。茎なども機械で除去し、光学食品選別機が色の良くないベリーを除去します。個別急速冷凍(IQF)されたアークティックビルベリーは、業界からベリー製品加工業者やケータリング会社、小売り用パッケージにしたものはスーパー等の食品店を通じて一般消費者に販売されます。業界では、ベリーとベリー製品の品質を厳しく監視しています。これにより、家庭の冷凍庫でゆっくりと冷凍されたものよりもベリーの栄養価値と品質が維持されるのです。

冷凍以外にも乾燥という処理方法があります。ビルベリーは主に、最大約45℃の温風で空気乾燥します。水分を蒸発させることでベリーに含まれる酵素活性と微生物活動を防ぐのです。残留水分が約10~12%になったら乾燥完了。生のベリー1キロが約100グラムの乾燥ビルベリーになります。

特殊製品を加工する場合は、より費用の高いフリーズドライも可能です。フリーズドライは非常に低温(約-50℃)で吸引することにより、水分を液体から一気に気化させて乾燥させます。姿かたちや栄養成分を非常に良い状態で保存できます。

 

 

 

 

 

 

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